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「しかしその彼女、ちょっと見てみたいな。写真とか無いわけ?」
「写真?」
「ちょっとスマホ見せろよ」
興味津々なレオの台詞に「あ」と小さな声を漏らす凌。
ポケットからスマホを取り出してじっと見つめて。
「勿体つけるなって! あ、もしかして彼女のエロい画像があるとか?」
「ない」
「んだよ! まぁ、エロくなくてもいいから」
「だから無いんだよ、レオ」
「ん?」
毎日のように彼女とは連絡を取ってる。声も聞けるし荒い画像ながらたまに彼女の顔だって見ながら話も出来るから全然気にしてなかったけど。
「彼女の写真なんて撮ったこと無い」
「はい?」
笑顔を貼り付けたままそんな声を上げるレオに凌は「うん」と頷いて。
「全然気が付かなかった」
なんて真顔で言うから。
「……マジでリアルな彼女か? それ」
心配そうに質問するレオに、
「リアルじゃない彼女ってなに?」
「だーかーらー! ネットでしか会えない女とか!」
「あ、うん。ネットでしか会えないね」
実際、こっちに来てから彼女とはネットの中だけの付き合いで。
「……おい。本気でその彼女は存在してんのか?」
「レオ、勝手に殺さないでくれる?」
完全に噛み合わない会話にため息どころか脱力して座り込みたくなってくる。
「お前と話してると頭がおかしくなりそうだ」
「言葉の壁ってあるんだね」
ニコリと笑っての凌の台詞にレオは結局座り込んで頭を抱えた。
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