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「と、言うわけでね?」
「……」
スマホの画面の向こう側、爽やか過ぎる笑顔には嫌な予感しか感じられない。
「だから君の写真が欲しいなと思ってね」
ここまでは普通で可愛いお願いだけど、
「出来れば上半身が確認できるものを――」
「何を確認するつもりなんですか?」
聞くのもバカバカしいのだけど。
「ん? あぁ、君の胸がシェリーより大きいって言うことを――」
「一体誰に見せる気ですか!」
「それは勿論レオに。あぁ、別に半裸でって訳じゃなくてね」
「当たり前です!!」
本当にこの人は何を考えているのか。
「でも、俺の本心としては美穂の裸を見たいけど」
「……」
あぁ、本当にこの人は何をサラリと爽やかな笑顔で言っちゃってるんだろう?
うなだれる美穂に「あ、でも触れないから余計虚しくなっちゃうかな?」なんて真剣に考えてるあたり案外本気かもしれない。
なのに、
「ま、それは俺が自分で撮ればいいか」
なんて結論は聞かなかったことにしようとしたのだけど。
「……って、え?」
顔を上げて驚く美穂に画面の向こう、凌が笑う。
「あのね――」
彼の爽やかな声が美穂の耳に届いた。
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