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「そう。まぁ地区大会なんだから優勝して当たり前だと思うけど」
「……」
声のトーンと内容が全く合っていないけれどこれが鳴海凌だから仕方ない。
「あ、女バスも県大会に出れるみたいで。2年連続男女ともって凄いですよね」
「インハイまで行ってくれるなら応援にもいけそうなんだけどね」
「え?」
驚く美穂にクスリと笑う声が聞こえてくる。
「一応、テストさせてくれて正式に連絡が来たんだ。向こうがこちらに来るより俺がそっちに帰ったほうが都合がいいらしくてね」
「い、いつ!?」
「夏休み入った直後くらいかな?」
「……」
「聞いてる?」
「聞いてます」
「喜んでくれないの?」
「そんなのっ!」
「うん」
「……嬉しいに決まってると、思うんですけど」
こんなとき、彼はなんとなく意地悪な台詞を口にする。だから素直に喜べなくて。
そんな美穂に彼はやっぱりクスリと笑う。
「詳しいことが決まったらちゃんと連絡するから」
そう言って通話は切れてしまった。
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