知らないキス

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結局志望校は、 「ここから通えるところにしたの?」 姉の声に肩をすくめながら「ダメ?」と聞くと「いいけど、なんで?」と返される。 別に学部とかそう言うものにこだわりがる訳じゃなし、生まれ育った場所でもないからこの場所に思い入れがあるわけでもない。けど、 「こっちの方が選択肢が多いから」 それだけ。 「まぁ、そうかもね。で、学部は?」 「それなんだよね……」 なりたいものが見つからないと進む学部も見つからない。けどなりたいものがあるからって無条件でその学部に受け入れられるわけでもない。要はできるか出来ないか、得意不得意も関係してくるわけで。 「とりあえず、理系は却下。で、英語の科目がないところ希望! って感じかな?」 「……適当ね」 姉の声にまた肩をすくめる。だけど他にどう考えればいいのか分からない。 「お姉ちゃんはどうやって決めたの?」 あくまで参考に。だけど、 「ん~? 受かる学校」 そんな答えに二人して笑った。
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