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目を覚ますと夜なのか辺りは真っ暗だった。
ナニコレ超怖い…俺ホラーとか幽霊とか超苦手なのに…
「とりあえず起きるかな…」
俺は側にあった起き上がるにはちょうどいい感じの石に手を置いた。
まさにその時だった。
「んォ?目ェ覚めたかァ?」
「モギャピィィッッ!?」
背後から突然声をかけられ俺は自己嫌悪に陥りそうなくらい間抜けな声を上げた。
「ナッハッハッハ!!なんだァ?その間の抜けた声はァ?」
笑われた…鬱だ死のう…
「ところで…誰?」
俺は後ろを振り返り声の主を軽く睨む。
「俺ァ脅かす気はなかったんだぜェ♪」
振り向いた先にいたのは肩に掛からないくらいの蒼い短髪に、紫陽花色の瞳、死人のように白い肌、見える範囲全てに広がる無数の縫い跡、そしてフヨフヨと火の玉を浮かせた美少女が立っていた。
…火の玉!?
「ゆ、ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ!?」
「ゆゥ…?」
「幽霊だああああああああああああああああああああッッ!?」
今日俺は人生一の悲鳴を上げた。
「失礼だなァおィ?俺は幽霊じゃねえぜェ。これは魔法だァ。魔法ゥ。ほらよォライトって言ってみなァ。」
「ラ…【ライト】…」
言われた通り復唱すると俺の目先数十センチのところに火の玉が現れた。
「本当だ…そのさっきはゴメン…」
「別に気にしてねえよォ。種族的には同じだしなァ。」
え?今なんと?種族的には…同じ!?
「いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいやああああああああああああッッ!!」
人生一の悲鳴が更新された。
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