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…………
……
「遅いから、家わかんないかと思ってアパート前まで迎えに行こうかと思ったんだけど」
キッチンで飲み物の用意をしている柊平は暢気にそんな事を言っている。
「緊張してるの?」
コトリと琴が落ちるぎりぎりに座っているソファーの目の前にあるテーブルの前にコーヒーを置いた。
「……っ、し、してません!」
必死で誤魔化そうとしている琴は慌てて頂きます。と、コーヒーを一口飲んでごくりと喉を鳴らしたもんだから、
「ぅわ、あつっ」
小さな悲鳴を上げた。
「そんなに慌てないでよ」
クスクスと笑いながら、琴の隣に自然と腰をかける柊平。
「……っ、」
触れそうで触れない距離に琴の緊張は一層増していく。
「琴は……」
柊平は言いかけて言葉を止める。
ドキドキと煩い心臓の音で柊平の声がいまいちよく聞こえない。
「琴は……」
「え……?」
「どこまでなら、許してくれる?」
え…………?
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