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「かーっ。やっぱり仕事終わりのビールは違うねぇ!」
「だから、そのおっさん発言やめろよ」
職場からほど近い居酒屋で乾杯してからの茉莉の第一声。
「いいじゃないの、明日は二人とも休みなんだしぃ。すいませーん、生一つ!!」
「……」
駆け込み一気かよ。ぼそっと賢士は呟くが仕事終わりのビールに夢中の茉莉の耳には入らない。
「お前今男いないんだよな?」
「んー、今更―?」
「じゃあさ、俺と付きあわね?」
「んー」
「……おい」
「何よ、どこに付き合えっての」
「おいこら。古典的なギャグぶちかましてんなよ」
…………。
は?
あまりのムードのなさに?あまりに日常会話を言うが如くの告白に茉莉は一瞬のうちにフリーズした。
「賢士……あんた熱あんの?」
現実逃避した茉莉は、確実にいつもの様子とかけ離れた行動の賢士についていけず、更には人を病気呼ばわりした。
そんな茉莉の行動に怒りを堪えるように、更なる爆弾を落とした。
「だから、俺茉莉のこと好きだって言ってんだけど」
「は?」
まったまたー。そんな冗談にはひっかからないよ。などと口にしようとした時、賢士の顔が僅かに赤くなっていることから冗談ではないと瞬時に理解し、またしても茉莉はフリーズする事となる。
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