日直

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日直

ある日、僕はとある事を耳にした。 同じクラスの女子たちが噂していたのだ。 聞くつもりはなかったのだが、ある単語が僕の耳に聞こえた。 「ねえ、高峰先輩が告白したって知ってる?」 「知ってる知ってるー、だって告白されたの同じクラスの大野さんでしょ?」 「そうらしいよー。返事がどうなったのかわからないけど。」 「高峰先輩かー、羨ましいなー。実は私ちょっと狙ってたんだよー。」 「まじで、高峰先輩は無理だよー。この学校一のイケメンらしいし。」 「やっぱりそうだよねー。大野さんとがお似合いか。」 「そうそう。あんたには他に良い人がいるってー。」 女子たちは僕の存在には気づかないまま過ぎ去って行った。 千秋が、告白された…? 先輩の名前は全然聞き覚えなかったが千秋が告白されたという噂はとても吃驚した。 授業開始のチャイムが鳴った。 とりあえず教室に入り授業の準備をする。 授業は何事もなかったかのように集中する事が出来た。 その日の放課後。 偶然にも日直は僕と彼女だ。 僕はあの噂の事を聞こうか迷っていた。 すると彼女が突然、 「みー君、あのさ。」 高校生になってからは挨拶程度しか話すことがなかったので、彼女からいきなり話しかけられて驚いた。 そして、その呼び方にも。 すごく懐かしい呼び方だった。 「な、なに??」 突然の事に僕はたどたどしく答えた。 彼女はクスッと笑いながら 「ふふ、吃驚した?こういう風に呼ぶの久々だよね。」 「う、うん。」 「みー君はまだ猫が好き?」 「そうだね。猫の方が可愛い。」 僕は答えた。 「そっかー、変わってないねー。ま、そういう私も犬好きなんだけどね。」 「変わってないじゃないか。」 二人で軽く笑いあった。 そして僕はあれを聞く事にした。 「あのさ、高峰先輩に告白されたって本当?」 そう聞くと、彼女はなぜその事を知ってるのかは尋ねずに 「…うん。そうだよ。」 その声はどこか元気がないように感じた。 僕は続けて質問をした。 「…なんて答えたの?」 その言葉を遮るように彼女は 「日誌できたーー!先生のところに出してくるねっ!」 と言い残し、教室から出て行った。 結局、答えは聞けなかった。 その後、まともに話すこともないまま、夏休みが始まった。
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