僕と君+友人

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いつものように席に座って本を読む僕。 退屈な高校生活を送る日々。 友達がいないのか?そういう訳ではない。 自分から話しかけるのが苦手なだけだ。 だから席で本を読んでいる。あいつが来るまで… 「おーい、坂下ー。」 来た、あいつだ。 「また本読んでるのかよー(笑)」 成沢拓哉、僕がこの高校に入って初めて出来た友達だ。 なかなか友達をつくることが出来ない僕に話しかけてくれた唯一と言ってもいい友達。 あと、僕に話しかけてくれるのは彼女しかいない。 女子たちの輪の中でひときわ輝いている彼女、大野千秋。 彼女は僕の幼馴染みだ。 高校生となってからはあまり話す機会は減ってしまったが、幼い頃はよく一緒に遊んでいた。 今や彼女はこの学年一の美少女と呼んでもいいかもしれない、いや、そうだろう。 一方、僕は特に何もない。パッとしない男子の一部だ。 しいていうならば、勉強が少し出来るくらいだろう。 定期テストでは3位までには入っている。 「そんなに本読んでて面白いの?」 拓哉が聞いてくる。 「面白いよ、特にする事もないしな。」 僕はそう言った。 「相変わらずな答えだなー、もっと高校生活エンジョイしようぜー。」 僕は高校一年生。4月に高校生になったばかりだ。 期末試験も終わり、もうすぐ夏休みだ。 特に予定はないが…。 「エンジョイも何もまだ高校生になったばかりじゃないか。」 僕は言い返す。 「これから夏休みだろ、たくさん遊ぼうぜ。」 彼は言う。 「夏休みの宿題があるだろ。」 「固い事言うなよ~、少しくらい遊んだって大丈夫だろ。夏休みは長いんだぜ。」 「はぁ…。」 ため息をつく僕。 「とりあえず後で遊ぶ予定決めようぜ。」 「わ、わかった。」 どうやら遊ぶ事はもう決定らしい。 「じゃ、また後でな。」 そう言って彼は自分の席へ戻って行った。
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