夏休み

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夏休み

夏休みが始まり、拓哉はほぼ毎日のように遊びに誘ってくる。 その誘いにたまに乗りつつ、僕は家で一日を過ごす事が多かった。 今度、地元で夏祭りがあるらしい。 もともと行く予定などなかったが、偶然近くを通りかかったので少し寄ってみる事にした。 祭りはすごく賑わっていた。 この夏祭りに来たのはいつぶりだろうか。 そんな事を考えていると、ふと、とある人影を見かけた。 彼女だ。 彼女も1人で来ているのだろうか。 話しかけよう、そう思った瞬間 彼女の隣には男が居た。 顔は知らないが、おそらく高峰先輩だろう。 無意識に僕はその場から離れていた。 その頬には涙がつたっていた。 人気のない神社の辺りまで来て立ち止まった。 彼女はあの先輩と付き合っているのだろうか。 夏祭りに来ているということはそういう事だろう。 なぜか涙が溢れて止まらなかった。 気持ちを落ち着かせるために急いで家に戻る。 お風呂に入り、少し気持ちが落ちついた…はず。 先ほどの事を思い出してみる。 ただの幼馴染みってだけだ。 千秋が誰と付き合おうと関係ない。 そう思う事で納得した、そう思うしかなかった。 きっと僕は、この夏を忘れないだろう…。
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