プロローグ

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昔、昔の話しだ。 まだ子供だったオレは、よく家の裏の森に遊びに行っていた。 その森を抜けると、父と母が汗水垂らして畑を耕しているのが見える。 父と母がオレの存在に気づくと、満面の笑みでオレの元に歩み寄って来てくれる。 『こうくん、今日もカブトムシ探してるの?』 『うんっ! あとねっ! お父さんのまほうを見にきたんだ!』 母は 『そうなのぉ?』 と言って父ににこやかに視線を送る。 すると父はオレの頭を撫でてくれた。 乱暴な撫で方だったけど、嬉しかった。 『よーく見とけよ? 紅弥…!』 『うんっ! お父さん見とく!』 父はギュッと握り拳を作り、勢いよくパッと開くと、そこに小さな男の子の人形が見える。 『どうだ? この男の子の名前は紅弥2号と名付けよう!』 『あなたねぇ…。 2号って…』 『うんっ! ぼくの新しい弟にする!』
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