プロローグ

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父の名付けのセンスの無さに母は呆れ、父は必死に『かっこいいじゃんか!』と弁解する。 そんな2人を見ていると、自然と笑みが絶えなかった。 でも、そんな当たり前の幸せは長くは続かなかった。 『いい子にしてるのよ…?』 『紅弥…すぐ帰って来るからな』 父と母はその1ヶ月後にオレを叔母に預けて姿を消した。 『お父さん…お母さん…』 どれほど時が過ぎたのだろうか。 父と母が姿を消して10年ほどが経ったある日、1通の便箋が届いた。 中には1枚の手紙と写真、紅い宝石のネックレスが入っている。 写真には大きめの青い石が写っており、手紙には ≪魂装≫ 『魂石』『聖 神武学園』『麻倉 紅弥』についてビッシリと書かれていた。 そうオレでは無く、叔母充てへの手紙だった。 『紅弥…! アンタ…なに勝手にアタシ充ての手紙を見てんだい!』 『てっきり…父さん母さんからの手紙かと思って…』
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