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――やあ、マチュー。
「……ん?」
――気のせいだと思うなヨ。もしそう思うのなら、キミはとんでもない人非人だ。
「そこまで言われなければならないのかい?気のせいだとは思わないでおこう。君は何者だい?」
――よくぞ聞いてくれた。サスガはマチューだ。実を言うと、この声を気のせいだと思うどころか、気味悪がる奴が多くてナ。まずマトモな会話が出来んのダ。
「むしろ正常な反応だと思うが」
――ほう。するとだナ、キミはイジョウだと?自分を異常者だと言うのか?
「いいや、そう真っ当に考えた事はない。そうかと言われればそうだと頷けるだけさ」
――ほうほう、是非ともワケを聞きたいナ。有名な医大を出て母国に帰り、学んだ全てを生かしリッパな医者となった。そんな折に級友の頼みで小児科医として再出発し、またもや成功している。モンクの付けようのないジンセイだ。
「いや、成功したのはその級友の方だよ。彼こそ私など足下にも及ばない立派な医者だ」
――ケンキョだナ。足を引っ張られたとは感じていないのか?
「まさか!むしろ新しいチャンスをもらえたんだ。私は彼のサポートに尽力すると決めたんだよ」
――なるほど。キミには全くの悔いはない。そう捉えても?
「いかにもそうだ。もう1度聞くが、君は何者なんだい?」
――思えばこの名を名乗るのは久しい、何しろ久々のシゴトでナ。
――私はシニガミさ。
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