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「……失礼。今、何と?」
――私はシニガミだと、そう言った。
「…………。私の知っている、あの死神だと思っていいのかい?」
――解釈は個人のジユウだ。
「……正解は無いみたいな言い方をされても困るのだが」
――意外とメンドウな奴だナ、マチュー。シニガミ、死神、さほど変わりは無いと言い換えても良かろう。
「……………………そうかい」
――私がココに来た理由が解ったか。
「……。私は死んだのか」
――そういう事だナ。シニガミは生者に干渉出来ん。逆に死者には干渉出来ると言っても、正確にはタマシイをあの世へ運ぶアイダだけダ。
「……聞きたいのだが、一体どうしてだい?全く記憶に無いんだ」
――よほどヒドいショックだったんだろうナ。ちなみにシニガミにその辺りをタマシイに伝える義務は無い。
「……は?」
――無い。
「…………は?」
――しつけえナ。
「薄々気づいていたが口が悪いねシニガミさんは。シニガミとはそういうものなのかい?」
――そういうマチューもキモが据わっているナ。何なら少しは話をしてやってもいい。マチューの死に様以外のハナシなら。
「本命がそれなんだが」
――諦めろ。
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