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「旦那様…一つお尋ねしたい事が…」
『何だ?…私で話せる範囲なら良いが』
ジョセフは蔵書室で見た資料の疑問をふと尋ねた。
「あの塔の事何ですが、前の旦那様が建てたと資料には記されてましたが、設計者その他設計図らしい物が何一つ無いのは不思議では有りませんか?」
『設計者?設計図?…何の目的で建てられたかは、父の趣味が講じてと以前聞いてるが…詳細は聞いてない』
「不思議では有りませんか?何も塔を建てなくても、ご自分のご趣味は書斎で事足りる物では無いでしょうか?」
『それもそうだな…父は秘密好きな、変わったコレクションをしていた…』
「差し障り無ければ…教えて下さい」
『昔から…アンティークドールを集めていた…子供である私と弟も男の子であるのにだ…』
「それは奇妙な…趣味コレクションですね…」
暫く二人の間で…揺れ動く不思議と疑問は、まるで螺旋階段を上るように深く闇に包まれていった。
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