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ヒューヒューと灯り取りの窓の隙間から絶えず風の唸りのような…悪魔の叫びにも聞こえた。
カイルは…ポケットからマッチを出して擦り近くにあった廃材の先端に火を付けて松明代わりにして階段を上り始めました。
「何か薄気味悪い建物だな…前に兄さんに無理矢理連れて来られた時は無我夢中で上って脅かされて慌てて逃げたがら…余り中を良く探検してなかったな」
独り言で気を紛らわせながら、松明を前方に照らしながら上を目指して行きました。
「確か…最上階で折り返し部屋の扉を過ぎて反対側に降りると同じような出口があるはずだな…」
石段を登りつめて扉を確認すると木戸の鍵穴の中を何気なく覗き込みました。
「真っ暗か…鍵は無いしな…兄さんなら持ってると思うけど、貸してくれる訳がない」
段々独り言が増えていった時に、扉の奥から何やら話し声が聞こえました。
「ん?…誰か居るのかな…待てょここはずっと無人の筈だ誰も居るわけないし」
好奇心の塊は一気に膨れ上がり開かずの扉のノブに手を掛けました。
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