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静流がいなくなった後、
「あらら、嫌われてるなぁ、僕は」
と桐谷は楽しげに笑い、美優と弥生は思わず顔を見合わせた。
「ねー、先生、静流はどーしてそんなに先生のこと嫌ってるわけ?なんか嫌われることした?」
無遠慮にそう尋ねる瞬に、
「さぁ……名門・有栖川家のご子息にとって僕のような庶民が疎ましいんじゃないかな」
と少しやりきれないような表情を浮かべた桐谷に、美優は無言で腕を組んだ。
静流が教室を出て行って、ほどなくして「それじゃあ、僕もこの辺で」と顧問の桐谷も出て行き、第三音楽室には美優と瞬と弥生の三人が残された。
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