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「ねぇ、どう考えても、桐谷先生に対する静流様の態度って普通じゃありませんよね?」
痺れを切らしたように口火を切った弥生に、美優も強く頷いた。
「私もそう思う。だけど桐谷が言ってたような理由じゃないと思うんだよね」
……庶民が疎ましいだなんて。
「だよなぁ、俺もそう思う。
ただ、理由もなく人を嫌うような奴でもないから、桐谷に自覚はなくても嫌なことを言われたかされたのかもしれないなー」
身体を伸ばしながらそう言う瞬に、皆は釈然としない気持ちの中なんとなく頷いた。
「……あっ、話は変わりますけど、新聞部の方で『撫子賞』の特集を組むことにしましたの。そうすることで、たくさんの情報が集まるんじゃないかと思いまして」
そう言った弥生に、美優は「おお!」と拳を握り締めた。
「すごい、ナイス弥生さん」
「いえいえ、そんな」
「でも、一度聞きたかったんだけど、どうしてこんなに私の力になってくれるの?」
真顔でそう尋ねた美優に、弥生は「えっ?」と目を開いた。
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