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昨年の撫子賞受賞者である現三年生・早乙女春乃は放課後、いつものように裏庭の東屋でイングリッシュティーを飲みつつ文庫本に目を向けていた。
そんな春乃は通り過ぎる他の生徒達の注目を集めていた。
「見て見て、撫子賞の早乙女春乃様よ」
「なんてお綺麗なのかしら。あの凛とした佇まい」
「気品に満ち溢れていて、話しかけられない雰囲気よね」
と手の届かない、まさに高嶺の花を遠巻きに愛でるように、ウットリと目を細めていた。
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