第5話 作戦開始!

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しかし正統派な王子ではない。 この学園に置いて、『ふしだら』としても有名な一年生の北山瞬。 だけど胸に手を当て優雅に微笑むその姿は、上流階級の人間そのもので。 気品に満ち溢れつつも、堂々とした雰囲気は二つも年下だということを一瞬忘れさせた。 や、やだ。ドキドキと鼓動がうるさい。 「三島由紀夫の春の雪を……」 動揺を隠しながらニコリと微笑んでみせると、 「なるほど、それは美しくも愚かで、でも愛しい話ですね」 「……そうですわね」 美しくも愚かで、でも愛しい。 春の雪はまさにそうなのかもしれない。 嫌いじゃない感想だわ。 そう思い、小さく笑みを浮かべた。
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