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翌朝『報告があるから、早朝部室に』というメールを瞬から受け取った皆は、ホールでの朝食をパスして眠たい目を擦りながら第三音楽室に向かった。
宿舎を出て校舎へと向かっていると、
「美優さん、おはようございます」
と弥生が満面の笑みで軽やかに駆けて来た。
「あー、おはよう、弥生さん。朝から元気ね」
寝ぼけ眼でフラフラと歩く美優に、弥生はプッと笑った。
「そういう美優さんは朝が弱そうですわね」
「そうなの。元々夜型だったし」
「ドールですもんね」
「それは言いっこなし」
そう話しつつそれでも眠そうに歩いていた美優は段差に気付かずガクンと体勢を崩した。
転倒しそうになった瞬間、背後から強い腕がしっかりと身体を支え、美優は少し驚いて振り返った。
「……運動神経抜群かと思えば、危なかしい面もあるんだ」
ニッと笑う静流の姿が目に飛び込む。
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