哀愁─その始まりは

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「確かに美しい花だね」 桜の木の下で見上げる。一人、呟いても聞いている者はいない。 寂しい。寂しいけれど、これが僕の定め。一人で生きていかなければいけない。 「これから、後何年間僕は生き続けて行くのだろうか」 100、200年と歳を増やしても僕は生き続けて行くんだろう。 死に行く者達をこの目で見ていく。僕はそれを見たくない。 折角、仲良くなった鳥や動物達は僕を置いて勝手に死んでいくんだ。 僕は無くす。大切な友達を。悲しいと思うけれど自然の摂理だから仕方ない。
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