哀愁─その始まりは

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両手を合わせ、目を瞑る。 ─さよなら、また会えたら良いね 「これで、お別れだよ」 目を開け、横たわった死体に土を被せた。 跡形が元の土に還り、何処に埋めたか分からなくなる墓にお辞儀をして。 ──亡き友達と過ごした美化されない思い出という名の記憶と ──苦い気持ちを桜の木に置いていった。 風がぶわっと強く吹き、桜の花達が花弁となって風に舞う。 辺りは月夜に照らされていた。
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