詩集

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猫 庭に一匹猫がいた 背中に傷を背負っていた 彼はいつも一人だった 庭に一匹猫がいた 食事を与えてみたものの 彼は何も食べなかった 庭に一匹猫がいた 次第に浮き彫りになる頬 彼はそれを気にしなかった その鋭い眼差しで どこか遠くを見ていた ずっと動かずに じっと静かに ある日猫はいなくなった その瞳に何を写し 何を思ったのか それを僕は知っている気がした
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