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とにかく焦って、成田の両脇に手を差し込むと、そのまんまヒョイと持ち上げてベッドにちょこんと戻す。
――必死じゃねーか俺
俺がベッドに上がるとギシッ、と小さなシングルベッドが音をたてる
そんでまた余計な言葉を吐かせたくなくて、ふさいだ唇
そのまま、壁に押しつけて閉じ込める
「寝ねーの?」
離れた唇から、無理して落ち着いたフリ
「せ、狭く……」
「全然」
狭いほうがくっつけるだろ!!
バカか。
「何時だよ?」
そんな自分が恥ずかしくて、誤魔化すようにそう言うと
ベッド脇にあるデジタル時計に目を向けた成田が
「……っ、もう12時過ぎてます……」
――なんだ、まだそんな時間。
「おやすみ」
「……!!」
成田のペースに巻き込まれたくなくて、そう言って寝るふり。
――なんだ、なんかまだモノ足りない。
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