11305人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
どうしたって、なにしたって
可愛くて仕方なくて
捻り潰したくなる、この衝動。あ、いや。
小さくして持ち運べたらいーのに、とか。
静まり返った部屋の中、互いに沈黙。
小さな呼吸音すら響く狭い空間
しばらくしたら廊下から話し声がしてきた。
はっきりと聞こえる、声
ガチャっと音がして、それはとても近くでした音のように耳に響く
ビジネスホテルなんてそんなもんで、当たり前すぎて気にもならない
――なのに、だ
「きっ……結構、響きますね」
ポツリ、と。
成田が呟いた
……ふはっ
「ああ、お前うるせーからな」
そういえば。
ってそんなん気にしてなかったから、面白くてからかうようにそう言ってみた
「……」
静かに、俺の脇の下に顔を埋める成田
「いいんじゃねーの」
「……」
今さら。
最初のコメントを投稿しよう!