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成田のちっこい頭
それに手をのっけて、なんかずっと触ってたくて、撫でるようにサワサワと手を揺らす
ずっとこうしたくて
やっと手に入れた
もう、――俺のテリトリー内から一歩も出したくない
「眠い」
心地よくて落ち着く
成田の傍は、何故かゆったりとしていて
ふわりとしたその感覚に流されて
少ない言葉でも、ずっとこうしていられる安堵感
もう死ぬ時がきたら、こいつが横にいればなんも不安なくいけるんじゃねーか、って程の
俺にとったら絶対の存在
引かれそうで口には出せないけど
ま、単純に睡眠足りてねーんだけどな
「イチさん」
「ん」
「……」
柔らかな俺を呼ぶ声が
愛しくて。
あいているほうの手で成田の手をとって、自分の心臓の位置に置いてその上からまた手を重ねる
――全部触れてたい
俺の心臓
いわば、急所で、生きる為の核
その生命源に成田の手を預けるこのクセは、
俺なりの忠誠の証
俺を生かすのも、殺すのも
全部、成田次第
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