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また、鳴かせて。
気が済んだか自分。って。
呆れてまた閉じ込めて。
どれだけ抱いたって満たされない何かが、わからないまま営みに溺れる
言葉を吐き出す口が互いにあるのに、それをしようとしないのが俺達の今までの関係で
――打開したい、って願望はあるはずなのに
そうできない俺達の、独特のこの間合い
焦れったいのに
胸がきしむ
どうしたいか、って
それを出したら。
成田は俺の元からいなくなるんじゃないかって
そんな情けない考えがあったから、――こんなことになってるってのに
現実はそうそう上手くいかない
……俺の性格も、屈折しすぎていて
自覚はあるのに、変えれないスタンス
ぐったりとうなだれた成田から寝息が聞こえてきて
その呑気な寝顔を見ていたら。
――今さら、浮かんだ。
目に見えないやっかみ。
こいつは、今まで。
どうしてたんだ、って。
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