衝動

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ホテルロビーまで、会話もなく 数分でエレベーターまでたどり着いた。 狭い箱の中、成田が――近い。 ちっせー頭のつむじを見ながら、今にも壁に追いやりたくなる衝動を押さえて冷静になろうとする 「一緒に寝てください」 ずっと、頭にこびりついて離れない言葉が ――ぐるぐる回る あれ、ナニ? 俺のせいで寝れなかった、って そんな、都合のいい解釈 ――アタマがイカれてるかもしんない、俺 長いまつげが上から見て、まばたくそれを眺めていたら、 身体が――吸い寄せられるみたいに 成田に顔を近づけて、何かを試すように 「目の下、すげー」 あと数センチ。 そしたら、届く。ギリギリの距離。 きめこまかな肌 触りてえ。 「あっ、あんまりっ!! みっ、見ないで下さいよ!!」 俺から逃れるように角に非難した、瞬間。 エレベーターのドアが開いた。 その行動が面白くなくて 「そーゆうの、平気なの?お前。」 「はっ!?」 「嫌だな、俺は」 子供か、っつーの。 でもそのお前の態度は毎回 結構傷付くんだよ。
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