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重なった唇の感触なんか、触れた瞬間頭の中から飛んでいって
冷静になんか、なれない
無理矢理ねじ込んだ舌先に絡み付く小さな成田の口内をかき混ぜて、そのまま力任せにむさぼりついた
「――すき、なんです」
瞬間
漏れた吐息と一緒に成田が呟いた言葉が、絡み合った唇の隙間から狭い入口で反響した
――お前
何なんだよ
一気に激情
目の前にいた成田が狂いそうになるくらいに愛しくて
抱き締めて潰したくなるくらい
目頭があつくなる
なんで。
――なんで
お前なんだろう
こんなに欲しくて、欲しくて
腕の中に閉じ込めてもまだ足りなくて
「好きだ」と言っておきながら、逃げようとする成田の身体を逃がさないように捕まえる
ぎゅっと押しのけるように、力が入っている成田の手
「――いち、さん」
脳裏に響く、成田の甘い、コエ
そんでもって、爆弾投下
「彼女、つくったくせに」
お前も、そんなに
執着してたのかよ
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