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――ふさいだ唇
触れた肌の感触と、漏れた成田の声に、意識が遠退く
やっと手に入れた身体
ずっとそうしたいと願っていた今がある
俺の腕の中でもがきながらもすがりついてくるその様子に満足しながら、触れた指先を滑らせるように潜り込ませる
そのたび跳ねる身体
――そのたびに、微かに吐く、微かな声
湿気を帯びてピタリと重なる肌が貼り付いて離れない
肌が、――身体が
心と重なっていくらでも増幅する芯から溢れるこの、――欲望
ただひたすらむさぼりつくように、その身体にくらいつく
壊れたらいい
無茶苦茶に、鳴けばいい
久しく求めてなかった女の身体は、――結局は成田にしかその反応をみせなくて
溺れていくその様が自分でも見境がついていなくて、のめり込んだまんま、全てを埋めていく
「やだやだやだ……!」
反響した声が、狭い入口で脳に響く
漏れた声がプツプツと振動で途切れて
必死にそれを遮ろうと唇を噛み締めては、
また、漏らす
俺の肩に歯をたてて
「……またっ」
何度も、沈んでいく
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