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「髪の色が変わった!?」
殺気立った男達は、
同じ事を口にしてざわめきだす。
「いくぞ!!」
刀を一振りし、
頭(かしら)と思われる男に向かい走り出す。
「はっはっはっ!!
俺とやるのか?
舐められたものだな。」
巨漢は手にしてある大斧を、
縦に振りかぶり一気に降ろす。
「うらぁっ!!」
男の怒号と共に迫る斧が最速になる前に、
軌道を読み横へ避ける。
目標を失った大斧は、
空を斬り、地を裂いた。
「遅いな。」
大きな挙動によりがら空きになった懐に潜り、
横一閃で斬りつけると、裂けた皮膚から血が吹き出し、
俺の藍色の着流しに黒い染みをいくつも作る。
「甘いんだよ!!」
「っ!!!」
殺気を感じ、距離をとるために後ろへ飛ぶと、
左から目の前を斧が掠める。
巨漢はいつの間にか大斧から手を離し、
両手には一回り小さな斧を握っていた。
「浅かったか。」
胸が高鳴るのを感じる。
もっと楽しく、と体がたぎる。
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