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気になる…
「夜吉さん。この依頼受けます。」
僕は夜吉さんから紙を受け取り、
依頼の内容を確認する。
依頼人は伊藤 善蔵
ここらでは一番大きく有名な商家だ。
内容は妖退治。
報酬はそれなりに高い。
詳細は会ってからか…
「お前さん、気をつけなよ。
この依頼は出て約3ヶ月ほどだが、
まだ誰も成功していないからね。」
夜吉さんの真剣な視線は僕の目を捉えていた。
「心配してくれるなんて、夜吉さんは優しいんですね。
でも、大丈夫ですよ。」
それだけを言い、
僕は暖簾をくぐり抜け依頼処から出る。
足は依頼人の店へと向かい歩き始めた。
「本当に大丈夫かねぇ……」
夜吉は煙管を口から離し、
煙を静かに漂わせた。
暁玄は活気ある江戸の町の中を
伊藤家に向かい歩を進める。
いつでもこの町は賑やかだな。
依頼を終えて外から戻って来たとき、
いつもこの賑やかさに元気がでる。
宵玄にもこの町を
直に体感してほしいけど…
戦う時以外、宵玄は入れ替わろうとしない。
しかも、直接話せないし、
どんな事を考えているかはわからない。
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