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「っ……なんっ…それっ…」
「なぁー?酷い話やろー?」
「…お、も、ろ、す、ぎ、る…」
笑いすぎてジュリアが痙攣している。
あれ、俺、愚痴ったはずやねんけど、そんなおもろい話やったか?
「せや、それだけやないねん!今後は合コン誘われても行くなとかなぁ、前に誘われたやつも断らされて、んまぁ元々興味はないねんけどさぁ」
「ふわーーーーーー」
「休みの日とか買い物行く時いっつも着いて来るしなぁ」
「わーーーーー」
「そんな人やとは」
「思わんかったなぁ…」
「あぁやっぱりそうなん?」
「うん、まさか、そこまで、とは…」
見つめあい、俺らは同時に頷いた。
そう、今までまともに恋愛をしてお付き合いをしてこなかったあの人が、
こんなにも独占欲の強い人間だとは思わなかったのだ。
それは、正直嫌じゃない。
むしろちょっと嬉しい。
だがしかし、
それとこれとは話が別だ。
「100歩譲って買い物とか来るんは全然ええよ。けどなぁ、ルチル来たらあかんてそれ、それは酷いやろ!」
「あーんー、彼なりに守ろうとしてるんやなぁ…」
「何が?」
「何でもないよ。」
よく分らんがにっこり微笑みかけられたので、
一旦この話は止めにしよう。
俺も一気に吐き出して少し楽になった。
「それよりも、」
「ん?」
「もうヤったん?」
「ヤっ……!」
笑顔のままとんでもない話題にに突入した。
表情を固め、目線だけゆっくりジュリアから外す。
外した先まですすすと彼女は移動して、
もう一度覗きこまれた。
「ん?」
「ヤ…って、」
「何て?」
言いながら顔が熱くなってきた。
この手の話題を他人にしたことがなくて、恥ずかしくてたまらんぞ。
「…その反応は、…したんやな?」
「いや…」
「えっ」
「その、最後、までは、」
「…まさか、」
「して、…ないけど」
「…あんのボケェ…」
「いや、でも、全くしてないわけじゃ、って俺は何を言うてんねん」
「あかんそのフォローは役に立たん。あのボケ!でも途中経過を教えてもらおうか。」
「えええええどっちなん!」
「経過次第では呼び出し、アンド、説教じゃ!」
頼んでないのに2杯目のビールが出てきた。
どうやら奢るから吐け、と。
そしていつの間にかジュリアも自分のビールを注いで構えている。
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