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俺の指で、塚口さんが感じてる。
上下に動くのに合わせて、大きく息を吸い込んで、吐いて、
俺かって余裕はないけれど、嬉しくて凝視してしまう。
時折、吐息に混じって声も漏れる。
覆い被さっていた塚口さんも、俺の横に並ぶように寝ころんだ。
頭を抱き抱えられ、髪の間に指が差し込まれる。
「陽太ぁ…」
「…はい、っ」
呼ばれて顔を見ると、眉間に皺を寄せたあんたが居る。
「気持ち、ええか?」
「はい…。…塚口さんは?」
「んん~…やばいなぁ…」
言いながら、ぎゅーっと俺の髪を掴む。
止めて、禿げる。
俺はというと、シーツを握りしめてなんとか保つしかない。
徐々に呼吸の間隔が狭まっていく。
つい先程までにこにこしていた塚口さんも、枕に頭を完全に沈めて、指先だけは俺を責め続けている。
自分でやるのとはわけが違って、他人のその行為は予測もできない。
突然緩急をつけたり、先端を執拗に扱いたりして、
声を殺すのも難しい。
半開きのまんまの口が渇く。
今まで悶々としていた、躊躇や、遠慮が、熱で吹っ飛んでいく。
「…あの、」
「っあぁ?」
「キス、していいっすか」
「…何を、今更」
「いや、その、…すんごい、やつを、して、ほしい」
殆ど声にならなかった。
息が上がってるのと、喉の渇きのせいだ。
塚口さんが初めに指示したように、
開いた口から、舌を出す。
我ながらこんな方法しかできなくて情けない。
しかし予想外に、あんたはきょとんとした後に、
「よっしゃあ」と満面の笑みで唇を寄せた。
ねっとりとした感触。
舌先を触り合い、と思ったら奥まで侵入して口内を舐める。
俺も、された通りに仕返しを試みた。
「っ、はっ、」
喉からそのまま、声が漏れ出る。
その声ごと喰われるようだ。
塚口さんも、俺が歯肉に舌を這わせていると、
詰まった声を聞かせてくれる。
離れる時は、唇を甘噛みしながら、
最後に音を立てるだけのキスをして。
でもすぐにまた絡みつく。
どちらともなく、飢えたように。
「まっ、待って…っ」
「お前がして欲しいって、言うた、やろ」
「ちゃ、う、もう、イキそ…んっ」
最後までは言えなかった。
口を塞がれたまま、必死で塚口さんの腕を掴んでいたが、
扱かれるままに塚口さんの手と、俺自身の腹に白濁した液を吐きだした。
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