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「曽我の方から泊まりに来いとか珍しすぎて恐いんだけど」
大きなバッグを下ろしゲタにご飯をあげてニタニタしている奴を見つめた
「仕方ないじゃないですか。勝哉さんの所に行かせるぐらいならここに居てもらった方がマシです」
「はぁ?いつ誰が勝哉の所に行くって?」
憂と曽我のやり取りを知らない隆弘
「ふん、惚けても無駄ですから。勝哉さんの優しさにつけこむ暇があるならさっさと自分の問題を解決して下さい」
「……面倒くさい奴。まぁいいや、今夜泊めてくれてサンキュー!さぁ、ゲタちゃんこっちおいで~」
「ああ!!ゲタちゃん!」
ご飯を食べ終えたゲタはもう曽我に用はない
「お前真っ直ぐ俺んとこ来たなぁ~」
ゲタの頭をなでなで
「気安く触らないで下さい!ほらっ!ゲタの喉がゴロゴロ言って嫌がってますよ!」
「ばーか。これは喜んでんだよ。本当
甘えたな奴だな」
怒る曽我を無視してゲタと戯れる
「ふぬぬぬぬ……こいつを家に入れるんじゃなかった。いや、そうしないと勝哉さんが……」
「えー何?お前まだ勝哉の事諦めてないの?」
「諦める?何言ってるんですか。勝哉さんは俺の……ゴホン、何でもありません。それより早くゲタから離れて下さい」
「へーへー。だってよゲタちゃん」
ゲタを膝から下ろし溜め息をついた
「風呂借りるぞー」
「どうぞご勝手に。汚さないで下さいね。この間使った時壁に泡がついたままでしたよ」
「細かいなぁ~。あ、一緒に入る?」
「バカな事言わないで下さい!一緒に入るぐらいなら外の泥水で洗った方がマシです!」
「マジで?じゃあ外行って洗って来いよ!」
「バカ言わないで下さい!」
こんなやり取りがしばらく続き、途中で面倒臭くなり隆弘はしぶしぶ風呂へ向かった
「あー気持ち良かった!曽我も入って来いよ」
「ちゃんと隅々まで流しましたか?また泡が残ってるとかやめて下さいよね」
「流したっての。うっせーなぁ」
まだ濡れている髪を拭き次は曽我に風呂に入るよう促した
「俺が風呂に入ってる間ゲタに何かしたら許しませんからね」
「はいはい」
「はいは一度言えばいいです」
「へーへー」
「ちっ」
舌打ちをし、着替えを持って曽我は風呂場に向かった
「……よし!」
そして拭いていたタオルを床に投げ、隆弘も風呂場に向かった
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