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奴は物凄い勢いで押し倒して来た
気持ち悪いキスに気持ち悪い手つき
荒い息遣いが耳元で聞こえる度ただ不快でしかなかった
……自分を犠牲にしてまで本当にこれで曽我を守る事が出来るのだろうか
「待て」
「どうしたの隆弘?ここじゃないの?他に触って欲しい所があるの?」
「そんな事じゃない。退け」
無理矢理体を押し退け、少し距離をとり服を着た
「何をしているの?もうすぐ一つになれるのに」
「お前が約束を守る保証がない以上やっぱり体を許す訳にはいかない」
「約束は守るよ。隆弘が僕の物になってくれるなら」
「いつまでお前の物になればいい?」
「ずっとだよ」
やっぱり……
「なら条件を出す」
「条件?」
「1ヶ月俺の好きにさせろ。その間お前は俺に干渉しない事、監視も盗聴もするな。ストーカーもやめろ」
「……隆弘が僕の物になるのなら……わかった。1ヶ月だけの我慢だね。じらすのが上手だね。そんな所も好きだよ」
俺はわざと返事をしなかった
こんな奴の物になんかなったら最後、きっと監禁されて弄ばれて……考えるだけで鳥肌が立つ
ストーカー野郎は俺をギュッと抱き締めた後立ち上がり玄関に向かった
「また迎えに来るからね」
そう言って出ていったんだ
「クソッ」
思い切り唇を腕で擦った
まだ聞き分けのいい奴で良かった
この場は取り敢えずやり過ごしたけど期限は1ヶ月……その間に何か考えないと
「気持ち悪……」
もう少しで曽我を裏切る所だった
体を許してしまいそうになった自分に腹が立つ
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