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次の日、誰かに相談しようと思い俺は取り敢えず憂さんに連絡した
憂さんと言うより朔夜さんに。申し訳ないが憂さんは余り頼りにならない
タイミングが良かったのか、朔夜さんが家に居ると言うので俺はすぐにマンションへ向かった
「大変だったね」
『隆弘くん大丈夫!?』
「何とか……」
部屋に上がらせてもらい、俺は詳しく昨日の出来事を二人に話した
「で、どうするの?」
「1ヶ月って言ったものの何も思いつかなくて。引っ越しも考えましたけど……」
「無駄だろうね。すぐに居場所はバレるよ」
「ですよね。はぁ、どうやって合鍵作ったのやら」
『やっぱり警察に行った方が……』
「憂は黙ってて」
憂さんが何か言おうとしたら朔夜さんが憂さんを黙らせた
「あのね隆弘くん」
「はい」
「俺はね、憂を巻き込んで欲しくないんだ。相談は乗るよ?だけど協力はしないからね」
『そんな冷たい事……』
「憂、1度危ない目に合った事もう忘れたの?」
そう言った朔夜さんの顔は少し怖かった
こんなにも恋人を大事にする人なんか他にいるのだろうか
本当に憂さんが羨ましくて仕方ない
「巻き込むつもりはありません。協力も求めるつもりはありません」
「そう。わかった」
そう言って朔夜さんは目をつぶった
本当に綺麗な顔立ちだな朔夜さん
強いし頼りになるし何より憂さんを凄く大事にしていて……
ん?
俺はふと思い付いた
「守る……」
『え?』
「俺も誰かに守ってもらえばいいんだ」
しかしボディーガードが居ない
周りの連中は面倒な事は嫌いだしそれに最近連絡すら取ってねーし
誰かフリーでいかにも不良で喧嘩強そうで迫力のある……
一瞬脳内に勝哉が出て来たが尾澤さんがいるから却下。寧ろ元彼だし
ここはやっぱり警察に……いや、実際に被害に合った証拠もないし男の俺が男にストーカーされてるなんて信じる訳がない
警察が動いてくれたとしても厳重注意だけだろう
「朔夜さん、誰か知り合いに強い人いませんか?」
「ごめんね。友達少ないから」
「憂さんは?」
『俺も……』
「わかりました。ありがとうございます」
そう言って俺は立ち上がった
やはり自分でどうにかするしかない。そうだ、強い人に守ってもらったとしても結局その人を巻き込む形になるじゃないか
俺ってやっぱ頭悪いな
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