VI

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俺の休業期間…… 1か月が経った 事故の後遺症みたいなものも大分落ち着いていてぼんやりする事も無くなった 遂に仕事復帰か 大丈夫かな…… 出勤する前に事務所に寄りオーナーと少しだけ話をした 体調の事を色々聞かれた後、久々の出勤だからと色んな事を考慮してくれ今日は数時間だけの出勤でいいと言ってくれたんだ いい人過ぎて本当泣ける 「おーチビ助!何か久々だなオメー!」 少し遅れてから出勤すると一番最初に声を掛けてくれたのは勝哉さんだった 『お久しぶりです。すいません1か月も休み貰ってしまって……』 「おー」 『勝哉さんは怪我の具合はどうですか?』 「あ?遅刻してんじゃねーぞ!おらさっさと珈琲買って来いよ!」 『あはは……』 体が鈍り過ぎてたった数時間だけの仕事にも疲れてしまった 「お疲れ様。大丈夫?」 『俺本気でジム通った方がいいかも。体力無さ過ぎてやべーよ』 終わって直ぐに迎えに来てくれた朔夜 朔夜も今日は会社に行って来るって言ってたのに俺に合わせて帰って来てくれたようで 「今日久々に会社行ったらさー」 『うん』 「TV局からの依頼を受けるかどうか尾澤に相談されてさー」 『TV?』 「うん、尾澤の居酒屋でドラマ撮影したいんだってさ」 『え、マジで?スゲーじゃん!』 何と尾澤さんの居酒屋にTV局から依頼が! 「でもそのドラマが居酒屋をテーマにした物らしくて……営業に影響しないように撮影は昼間に行って夜は時々閉店後に撮影したいんだって」 「へぇ……営業に影響ねーんだったら別にいーんじゃね?」 すると運転しながら朔夜が超ムスッとした 「昼間に撮影するから店を開ける為に尾澤にも店に来て欲しいんだって。って事は昼間会社に来れなくなるじゃない」 『……で?』 「つまり昼間は俺が会社に行かなくちゃいけないんだよ!」 『行けよ』 「憂は俺が家に居なくてもいいの!?」 『仕事しろよマジで。元々はてめぇーの会社だろが』 「しかも撮影期間は最低でも3か月だって言うんだ!」 『だから何だ』 「3か月も会社になんか行ってられないよ!!!」 『別に尾澤さんばっかじゃなくて朔夜が店開けに行けばいーんじゃね?』 「憂のバカ!」 な、何故俺がバカ呼ばわりされなきゃならんのだ…… .
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