VI

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結局何だかんだTV局からの依頼を受ける事になった尾澤さんの居酒屋…… 社長は確かに朔夜だ だがしかし店を管理しているので主な権限は尾澤さんにある これも店のいい宣伝になると上手い具合に丸め込まれ…… 「まぁ店は尾澤と副店長で何とかするって言ってるみたいだし好きにすれば?って感じ」 『会社はどーすんの?』 「それも尾澤が何とかするって言ってるから大丈夫」 『朔夜は会社行かねーの?』 「たまに行くぐらい?」 『糞野郎だな。尾澤さん倒れたらどーすんだ』 だけど…… あの居酒屋がドラマのロケ地になるなんて本当にすげぇ え、誰が主演なんだろ?他に出演者は誰がいるんだろ? それを朔夜に聞くとまた物凄く機嫌が悪くなった 「それを知ってどうするの……まさか俺以外の野郎にまたうつつを抜かすつもりなの?」 『またって何だよまたって!!』 「憂は相手が芸能人だと直ぐ尻尾振るからね……だから俺TVに出てる奴ら皆んな嫌い」 『んじゃあもう二度とTV見んな』 それから尾澤さんに出演者が誰なのか教えて貰うと、超有名!って人はおらず、何となく知ってる人は2人ぐらいで後は知らない人ばかりだった どうやら深夜放送のドラマらしく…… でもすげぇ! 今日は居酒屋がロケ地になる前に朔夜と飲みに行く事に…… 「…………は?」 「あ、憂君!……と彼氏さん。お久しぶりです」 「……………………」 『え?ユキさん?』 朔夜は直ぐに厨房にいる尾澤さんに文句を言いに行った 「何でアイツがここにいるわけ?」 「お客様だからでしょうか?」 「今直ぐ出禁にしろ!!!」 「何もしていないのにそんな事出来るわけないじゃないですか」 「何もしてない!?しまくりだよ!!!アイツは敵だ!」 そして厨房から出て来たと思ったら次に朔夜はカウンター席に座っているユキさんの元へ向かった 「おいこのストーカー野郎……」 「人聞きの悪い事言わないで下さいよ」 「また偶然って言うつもり?あの時言ったよな?次また偶然だって言いやがったら俺が何するか……」 「でも貴方達は後から来ましたよね?俺の方が先にここに居たんですけど?」 「今直ぐ出て行け!!二度とここに来るな!」 『さ、朔夜……』 すると尾澤さんが厨房から出て来て…… 「朔夜、他のお客様のご迷惑になります」 「関係ない」 「お願いします」 「…………」 『……え?ちょっ……!』 いきなり朔夜に腕を掴まれ、ユキさんから遠い所にあるテーブル席へと連れて来られた 「座って」 『は?』 「早く座って」 先に席に着いた朔夜は自分の膝をパシパシ叩いて俺にそう言った 『膝に座れと?』 「そう」 『あ、あほか!!』 ユキさんに自分達を見せつけようとする朔夜 だがここは店内 他にも客は多数…… とんだ恥晒しだ .
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