VI

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「朔夜、ロビーに貴方に用があると言う女性の方が……」 受付の人から連絡を受けた尾澤が俺にそう言って来た 「誰?」 「さぁ……とにかく行ってみては?」 「えー面倒臭いなぁ」 「ほら早く」 尾澤に促され渋々ロビーへ…… するとそこには何となく見覚えのあるすらっとした女が居た 「…………朔夜!」 「!」 女は俺の姿を見つけると直ぐに駆け寄って来た 「久しぶりね。会いたかった」 「誰?」 「誰って……相変わらず酷い人ね。私よ、数年前に貴方と何度か……」 数年前? 「…………ああ、アンタか」 名前は思い出せないが女の事を思い出した 憂と出会う前に何度か寝た事がある女だった お互いに割り切った関係だったはずなのに彼女ヅラする姿が鬱陶しくなって何も言わずに関係を直ぐに切った女…… 「雑誌を見たの。それで貴方がここの社長だと知ってそれで……ずっと捜してた」 「何の用?」 女の要件を直ぐに聞いた チッ、面倒臭いな…… 憂が喜ぶと思って雑誌の取材を受けたのにこれは予想外だった まぁくだらない事言うようだったら会社から追い出して二度とここに来れないようにすればいいだけだし…… 「ここで話をするのもあれだし何処かカフェにでも行かない?それか私を奥に入れてくれたら……」 「無理。俺、暇じゃないんだよね。用がないなら今直ぐ帰ってくれる?それから俺はもうアンタと二度と関わるつもりはないから期待するだけ無駄だ」 そう冷たくあしらった時、女は言った 「貴方の子を生んだわ」 「……何?」 今何て…… 「貴方と連絡がつかなくなってから妊娠が分かって……4歳になるわ。女の子よ」 その時、後ろでバサッと何かを落とした様な音が聞こえた 「すいません、直ぐに確認したい事があって………」 後ろに振り向くと尾澤の足元には書類が散らばっていた 「……出て行け」 「お願い朔夜、私の話を聞いて」 「今直ぐここから出て行け!二度と来るな!!」 女を無理矢理外へと追い出した 「朔夜、今の話は……立ち聞きするつもりはありませんでしたが聞こえてしまって……」 「嘘に決まってる」 「心当たりは?」 「……」 「取り敢えず部屋に戻りましょう」 尾澤と一緒に社長室へ戻り、そこで頭を抱えた .
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