VI

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気分が悪い 吐き気がする…… 途中で気持ち悪くなり、足を止めた所で追いかけて来ていた朔夜に捕まった 「…………」 『……』 それからそのまま半強制的にマンションへ連れて来られたけど俺はずっと口を閉ざしていた ダイニングテーブルに座り向き合って座ってるけど。朔夜の顔が見れなくて 「ごめん、まさかあの女がこの辺を彷徨いてるとは思わなかったんだ」 『……』 「怒ってるよね……いや、怒らない方がおかしい。ごめん、ちゃんと説明するから聞いて欲しい」 『…………』 返事をしない俺に、朔夜はゆっくりと話し出したんだ 『……心当たりはあるのか?』 さっきの女との関係も全て聞き終えた後俺の口から最初に出た言葉 「分からない」 『避妊は?』 「酔ってた時もあるからそれも記憶に無くて…………」 それを聞いて無意識にフッと声が出た 『何だそれ……』 「……」 俺と出会う前の朔夜が何をして来たのかは大体知ってる 俺だって体の関係は持った事がないけど色んな女と付き合ったり適当に過ごしてた 今思えば何であんな糞みたいな事やってたんだろって思うけど今更過去の事なんかどうにも出来ない 『本当に朔夜の子供だったらどーするんだ?』 「どうするも何も……」 『金だけ渡して終わり?』 「それで解決するなら……俺は父親になる気なんか無い。責任なんか取れないよ」 『はぁ……』 「大丈夫、絶対に俺じゃない。DNA鑑定をすればはっきりする。明日金を渡す前にあの女にその話をするから」 『ちょっと1人になりたい』 そう言い、席を立った俺は朔夜をその場に残し別室へ行った 床の上に寝転がりさっきの人の事を考えてた 本当に綺麗な人だった 朔夜の横に並んでも全然釣り合うぐらいの…… 俺と出会う前朔夜はあの人と何度も寝ていた それを考えるだけでもかなりモヤモヤするのに更に子供だなんて 朔夜は違うと言っていた けど実際は分からないと言っている もし本当に朔夜の子供だったら…… 金だけ渡してはい終わりってそんな無責任な事、マジで糞過ぎると思う だけど責任を取ると言う事の意味…… 『はぁ……』 DNA鑑定…… 勿論するべきだ けど結果を知るのが怖い .
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