VI

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潰れる程だから沢山飲んだに違いない 全く…… 早く憂の様子を見に行きたかったのに長谷川君に足止めされた 「何?」 「そんな不機嫌な顔すんなって!チビ太なら大丈夫だよ」 「俺は憂を迎えに来ただけだから」 「まーまー」 強引に座らされかなりイラッとしたが…… 「今日チビ太の奴全然元気無くてさ」 「…………」 それを聞いた瞬間怒りが吹き飛んだ 「そう……」 「何で元気ねーのか分かってる感じ?そっかそっか。まぁチビ太にも言ったけどさ、過去はどーにも出来ねーもんな。俺だって過去に戻れたらやり直したい事だらけだし……これからを大事にすりゃいーもんな」 「憂から何か聞いた?」 「元カノ?セフレ?それっぽいのと出会したんだろ?そりゃチビ太もモヤるよな」 「ああ…………それだけ?」 「それ以外に何があんの?」 「別に」 長谷川君の反応を見る限り深い所までは言ってないみたいだ まぁ……言える訳ないか ってか絶対違うし 「取り敢えず憂を連れて帰るよ」 「ん、分かった分かった。帰ってちゃんとチビ太慰めてやれよ〜」 「言われなくても」 フンッと鼻で笑い憂の元へ 「ほら、しっかりして」 『んんん〜』 千鳥足で歩く憂を支えやっとマンションに帰って来た 『気分悪い。飲み過ぎた』 「そうだね」 ぐったりする憂をソファーへ座らせた後直ぐに水を用意してそれから…… 『…………会ったの?』 「え?」 『で、どーだったんだ?』 酔った憂に突然そんな事を聞かれた 「ああ…………うん、取り敢えず鑑定書を持って来いって話はしたよ」 『それで?』 酔いが覚めているのかはっきりと喋る憂 「心配しなくても本当に大丈夫だよ。ほら、水飲んで」 『いらない』 水を拒否した憂は立ち上がり寝室へ向かった 「大丈夫?気分悪い?」 ゴソゴソと布団の中に潜り込む憂にそう聞くと、憂は凄く不機嫌そうな顔をして俺を見た 『……まぁいいや。取り敢えず俺寝るから』 まぁいい? 「え、何?何か俺に言いたい事でもあるの?」 そう聞いたが直ぐに聞こえて来る寝息…… 凄く気になったが聞くに聞けなくなってしまった 明日憂が起きてから聞けばいいか…… ふぅっと溜め息を吐き、ゆっくり寝室を出てリビングへ戻った .
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