VI

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「昨日俺に何か言いたい事あったの?」 朝起きると直ぐにそう朔夜に聞かれた 二日酔いだから全然頭が回らないけど…… 『……ああ、何かあったような…………覚えてねーや』 「え、そーなの?」 『ぅー頭痛ぇーよ』 「飲み過ぎだよ全く」 嘘 本当は覚えてる 何の根拠も無いくせに朔夜は直ぐに大丈夫だって言う 俺だってそう信じたいさ けど、絶対なんて言葉程信用出来ない物は無いと思うんだ その可能性が1%でもあるのであれば…… けどそれを言ったらまた言い合いになりそうだったからワザと忘れたふりをしたんだ 『今日会社行くの?』 「ううん、今日は行かない。憂の事も心配だし」 『俺の事は放ってても大丈夫だっての。ただの二日酔いだし』 「昨日長谷川君と何喋ってたの?」 『別に。ただの世間話……仕事の話とか』 「そう……」 朔夜の方を向いていなくても分かる ガン見されてる…… 『あーあ、体超だりぃーし取り敢えず風呂でも入るかー』 「お風呂?沸かそうか?」 『いい。シャワー浴びて来る』 逃げる様に浴室へ行き深い溜息を吐いた 「ねぇ憂」 『んー?』 「そんな寝転んで携帯ばっか触ってないでさ、俺の相手してよ」 そう言いながら絨毯の上でうつ伏せになっている俺の背中に跨って来た 『何女みてーな事言ってんだよ。んじゃどっか行く?』 「行き先は?」 『カラオケとか』 「ボツ。他には?」 『ん〜特に行きてーとこ無いし……今日はこのままゴロゴロでいーんじゃね?ってか重い。下りろ』 「いつもゴロゴロしてて飽きない?」 『俺インドアだから。ほら早く下りろって』 「じゃあ久々に1日ラブラブとかどう?時間はたっぷりあるし……」 『気分じゃねぇ』 「憂にそんな気分はあるのかな?」 『……ねーな』 「酷い」 まぁ気分転換がてら目的が無くてもどっか行った出た方がいいか…… 俺もいつまでもこんな態度じゃ朔夜に悪い 『あ、じゃあ買い物行かね?』 「買物?」 『うん、そろそろ服買おうかな。時期的にセールやってそうだし』 「服だね、分かった。俺がコーディネートしてあげるよ」 『あんま高え服は勘弁な』 「ふふっ」 こうして俺達は気分転換がてら買物デートへ…… .
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