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「ありがとうございました!また来ます!いつもの人とは違い貴方はまだ数回しか会った事ない警官でしたが気に入りました!ええーっと……前園さんですね!覚えました。今度は猫が好きな服の素材を教えて下さいね」
「や、今日は暇だったからいいけどもう来なくていいよ!はい、気を付けて帰ってねー」
ゲタの入った籠を大事に抱え交番を出た曽我
「おーよしよしゲタちゃん、余り心配掛けないでおくれよ。これからさっきの警官から聞いたいなぼのチュールを買いに行きましょうねー♪しかし猫に詳しい警官がいたなんて驚いた」
猫話が出来るなんて本当に最高じゃないか
よし、これからはあそこを猫相談所にしよう
しばらく歩いていると、知人と遭遇した
「お、曽我くん発見〜」
「こんにちは長谷川さん」
「お前変な奴だけどあいさつだけはきちんとするから偉いよな」
「ありがとうございます」
こんな時間に長谷川さんと遭遇するなんて珍しい……夜行性だと思ってたのに
「それ何?」
抱えてる籠を指差す長谷川さん
「ふふふ、聞いちゃいますか?」
「あ、やっぱいいや。じゃーな」
釣れない事を言う……せっかく世界一美しくて愛らしい生き物を見るチャンスなのに。この人は馬鹿だ
手を振る長谷川さんに手を振り返し、再び帰宅を急ごうとした
……あ!違う違う、いなぼのチュールだ
ホームセンターに行けば売ってるかな?それともペットショップ……
箱で買う場合だと何処がいいんだ?
いや、その前にお金を下ろしに行かなくちゃ……あ、でも箱で買うならゲタちゃんにお留守番してもらわないと持って帰れなくなっちゃうな……他にも猫砂と……
色々考えながらポケットを摩った時、妙な感じがした
……財布は何処だ
「長谷川さーーーん!!」
「な、何!?」
慌てて長谷川さんを追いかけた
「すいません!!暇ですか!?」
「ええっ?いや、暇じゃない。今から……」
「良かった!財布を落としたみたいなんです!一緒に探してくれませんか!?ありがとうございます!助かります!」
「いやいやまだ何も言ってねー」
「どこ!?せっかく貯めたポイントカードが誰かに盗られる!あとスタンプ1つで1000円引きになるのに!あっ!薬局のカードもだ!他にも……っ」
「通帳のカードとか現金の心配じゃなくてポイントカードかよ!……まぁいいや、んで、どんな財布?さっきまで何処に居たんだ?」
「さっきまで……あっ!!」
曽我は突然走り出した
「ちょっ!あーー面倒臭せぇ!!」
それでもなんだかんだついて行く優しい長谷川
「前園さん!!!」
交番のドアを勢い良く開けた
「わあっ!!!びっくりしたー……君はさっきの猫くんだね」
「猫くんじゃありません!!曽我と申します!前園さん!!事件です!!」
「事件!?」
「はい!!俺の財布がありません!!」
「財布?ひったくりか?ちょっと詳しく話を聞かせて」
「はい!!ポケットに入れていたはずの財布がいつの間にかなくなってたんです!!」
「……ええーっと、誰かにぶつかったとかは?」
「ないです!」
「落としたのかな?」
「わかりません!」
「……遺失届を出すからちょっと書類書いてもらってもいいかな?」
「はい!」
曽我が椅子に座ろうとした時やっと長谷川も追いついた
「お、お前っ……足早すぎな、ってかここポリボックスじゃん!お前こんな所……あ!お勤めご苦労様でーす」
「お友達かな?」
「違いまーす。そうかそうか、じゃあ俺は用無しだな。じゃあ行くわ」
「待って下さい長谷川さん!さっきまで俺はここに座っててそれで……」
よく見てみると椅子の下に財布が……
「すいません前園さん!見つかりました!!」
「ええっ?」
人騒がせな奴……
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