VI

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朔夜は車 勿論直ぐに追い付かれる訳で…… 「乗って」 『いいって』 窓を開けて俺の横に並んで朔夜が話し掛けて来る 「ごめん、ちゃんと真っ直ぐに帰るから。お願いだから乗って」 『先帰ってろって!……ほら、後ろから車来てるから。邪魔だって鳴らされるぞ』 「構わない」 『…………』 ノロノロと俺の歩くスピードで走る朔夜の車 一台だけじゃなく更にその後ろからも車が…… このままじゃ本当に迷惑になる 朔夜は俺が乗るまで何があろうとも絶対に退かない 『はぁ……』 俺の反抗も虚しく結局朔夜の車で帰宅 「憂、話をしよう」 『疲れてるからまた今度にしてくれ』 「疲れてるのは分かってるよ。けど今じゃ無いとダメだ」 『話すも何も……悪い、朔夜は何も悪く無いんだ。俺が勝手にこうなってるだけだから』 「俺が憂をそうさせてるのは分かってる。けど……俺もこんなギクシャクしたままは嫌なんだ」 『……俺だって…………うっ!』 その時、ズキッとした頭痛がして一瞬目眩がした 「憂?」 『……悪い、ちょっと横になりたい。だから話はまた今度な』 そう言って俺はまた寝室へと……逃げた 逃げようとしたんだ 「……ごめん、俺のせいだね。具合悪いのに無理させてごめん。……ちょっと出掛けてくるよ」 『朔夜?』 置いた車のキーを再び手に取り玄関へ向かった朔夜 『何処行くんだ?』 「会社……かな。俺が居たらゆっくり出来ないだろうし……憂は寝てて。けど何かあったら直ぐ連絡して」 『…………』 朔夜が出て行ってから寝室にこもりベッドの上でずっと横になっていたけど俺の頭痛は痛みが増すばかりだった ツラいのは朔夜だって同じ いや、朔夜の方がツラい 俺が信じないといけないのに勝手に1人でうじうじ悩んで八つ当たりみたいな真似して…… 朔夜が帰って来たら謝ろう それからもう何も考えない様にしよう 悩んだ所で、結果が出るまでどうしようもないんだから .
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