茜side夢の続き

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なんでまた、こんな強がり言っちゃったんだろう。 真田しか、好きじゃないのに。 「ふーん。まぁ、いいや」 真田は何か考えるように素っ気なく言った。 そして、私は見てしまったんだ。 気付いてしまったんだ。 ...真田の左手の薬指に光る、シルバーのリングを。 ずっと胡座かいて指組んでたから見えなかったんだけど、カラになって氷が溶けた水が入ったグラスを持った時、私は見てしまったー 真田、結婚してるんだね。 そりゃそうだよね。 もう30歳だし。 結婚して子供がいたっておかしくない。 私だけが、あの頃で止まったまま。 真田はもう前に進んでたんだねー 怖くて真田に聞けない。 それよりも滲んできた涙を真田に見せる訳にはいかない。 「と、トイレっ」 私は急いで立ち上がると、真田を見ず、居間を飛び出した。 そんな私の後ろ姿に不敵な笑みを浮かべてる真田なんて、私には知る由もなかったー
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