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「玲王さん…はあまり得意ではないのですが」
「安心しろ俺もだ。あの人が得意だなんて奴は滅多に居ない」
実の弟としてその発言は如何なものかと思わないでもないが、否定する材料も見当たらないのでそのままにしておこう。
「「氷呂!璃王の家が嫌なら僕らのうちでもいいよ!」」
「右京と左京の家ですか、それも楽しそうですね」
「おいでよー!」
「一緒にすごそーよー!」
「ちょっと待て!それなら俺だって宿に立候補する!
氷呂!俺と一緒に夏休み中萌え三昧の日々を過ごしませんか!東京国際展示場にいこう!」
「国際展示…なにか展示があるんですか?」
「二人で水着でマコハルやろうぜ!」
「プールにいくんですか…?」
「黒バスもいいよな!」
「…バスに乗って…ですか?」
「後で詳しく説明……はっ、氷呂ー後ろ後ろー」
眞城は時々難しいことを言う…と、首を傾げる背後に突如黒塗りの車が止まり、眞城の言葉と扉が開く音に振り返ろうとした、瞬間。
「え、な。なああああぁあ!?」
「「氷呂ぉぉぉぉお!」」
ぐいっと腕を強く引かれそのまま車の中に引きずり込まれると、バタンと扉が閉められ、窓越しに呆然とこちらを見ている右京左京や眞城。璃王たちを尻目に発進した。
「「氷呂が拉致られたー!」」
「腐…腐腐。まさかこう来るとは…さすが」
「あん?なんだ、あの黒塗りの車」
「中に居たのは…伊瀬先輩だった…」
「氷呂ちゃんラチられちゃったよぉ~どうする?すーちゃんのおとーさんに出動要請するぅ?」
「…それは、流石に大事になる」
「そーなのぉ?伊瀬ぴょん先輩んちってなに屋さんだっけぇ?」
「先輩はE組だろ?Eつったら…金はあるが家柄はない成金企業の二代目とか、金貸しとか、あとは…」
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