海と嫉妬と絶体絶命

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自分は悪くない。自分のせいじゃない。 そう自分に繰り返しているうちにいつの間にか逃げられないところまで追い詰められていた。 全身がふやけるかと思うほど吸われて、ふわふわする頭の中が気持ちいい。 さっきは快感に変わったそれが気持ち悪かったのに、触れる手はさっきとたいして変わらない筈なのに、馬鹿みたいに甘ったるい声が零れて泣きそうになった。 「いせ…、や…」 何が違うのか、何が嫌なのかすらわからない。 いつの間にか近くにいるようになっていて、気付けばベタベタされているのも慣れていて、知らないうちにそれ以上の接触まで許していて。 「っあ、つ…い」 熱で思考が融けていく。 「ひゃ、あ…やあああっ!?」 「早…」 時間が経過して薄まっていると言っても、普段より敏感になった感覚はあっと言う間に追い上げられて、簡単な指の動きだけで既に二度も達していた。 自分のもので汚れたその指を舐め取る舌の赤が途中でぼやけて、自分が情けなくも泣いていたことに気が付いた。 「泣くなって、俺が泣かせてるみたいだろうが」 「泣いてま、せ…っ 伊瀬が…泣か、せ…てっ」 「どっちだよ」 「う゛ー…」 自覚してしまえば自分の力では止められず、ぼろぼろ流れる涙を指で拭われた。
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