海と嫉妬と絶体絶命

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「私に触ったその手…さっきまでなにをつけてたのかわかってやってるんですか…」 「うるせえな。文句言える元気があるなら続けるぞ」 「ひゃ、な、待…っ!」 力が抜けてだらりと投げ出していた脚を高く抱え上げられて、晒された中心にゆっくりと指が這わされ指先が僅かにナカへと押し込まれた。 「や、伊瀬…それ、や…ですっ!!」 「大丈夫だ。ゆっくりやる」 「ふゃ…っ!」 抱えた脚にちゅっと小さく音を立てて口付けて、宣言道理に慎重過ぎるほど丁寧な動きで動いているのはわかる。 わかるけれど、それを受け入れられるかはまた別の話だ。 「っや、や…め…いたい…っ!」 「まだ痛くなるほどいってねえだろ」 「や…、それ、やだ…伊瀬ぇ…っ」 多少の事に腹はくくれても、やっぱり、これだけは嫌だ。 これは痛くて怖い。 「な…なんでも、するから。これだけは嫌です…っ!」 上ずった声で懇願すると手が止まり脚を抑えていた手の力が緩み、固い表情でこちらの様子を窺う伊瀬と目が合った。 「そんなに嫌か」 「や…で、す」 「……………… ……………この貸しは…大きいからな…」 長い長い沈黙の後、溜め息と一緒に絞り出すような低い声とともに触れていた手が離れ、そのままぽすんとベッドの上へと崩れ落ちた。 「い、伊瀬…すいません…でも…」 「…わかってる。最後まではしない」 「ひ」 涙の溢れた目を擦りながら、崩れ落ちた伊瀬にそろりと伸ばした手をがっしりと握りしめられる。 「『これだけは』だったな」 「い…」 「これ以上の譲歩はねえ」 「っ、ゃ…ふあぁぁぁあああっ!!」
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